風景としての建築
建築を通して、風景をつくります。
風景とは、自然の事象と、美しさをつかみとる、
心によって像を結ぶものです。
古来、日本人は、宝石を身につけず、
色彩や芳香を纏うことで高貴さを示したと言います。
Cherry blossoms
Photo: KOICHI INOUE
一千年前、日本で編纂された歌集には
目に見える物質の豊かさよりも
見えないものを尊ぶ精神が詠まれています。
雨、風、光、草花、時間、
その一点を主題にせず、すべてが並行して
存在していく風景の有様を平易な言葉で表しました。
これらの日本文学の美的理念を継承することで
建築を通して、風景をつくります。
Japanese apricot
Photo: KOICHI INOUE